七沢温泉、竹林前の彼岸花
日向薬師~日向山~見城山~順礼峠~物見峠~白山~長谷寺のGPS軌跡
2か月ぶりの山歩きである。といっても田園地帯と低山の里山歩きだ。伊勢原駅からバスに乗って終点の日向薬師で降りる。バス停の裏手から田園風景の中に彼岸花の群生地がある。今年は8月下旬から9月にかけて涼しい日が多く彼岸花は既に盛りを過ぎていた。例年なら秋分の日の今頃が丁度いいのだが、今年は咲き始めが1週間ほど早かったようだ。日当たりの良いところでは花は既に白っぽくなっていた。しかし、そうでないところでは咲き始めたばかりの花もあり何とか見ることができる。
彼岸花群生地入口の田園風景
群生地の彼岸花
道路脇の土手に生える彼岸花
青空をバックに映える彼岸花
日向薬師の山門を登っていく
1km足らずの彼岸花群生地を歩いて道路に出る。バス停の方向に戻り日向薬師への山門をくぐり登っていく。日向薬師は平成22年からの「平成の大修理」で工事中であった。今年で5年目に当たり2年後の平成29年~30年に完了予定のようである。
日向山山頂(標高404m)
日向薬師上部の駐車場から更に日向山を目指して登っていく。次第に山道となり緩やかに登っていく。左側に見えていた山並みが同じような高さに近づいてくる。やがて日向山への分岐が出てきて右側に登っていく。10分ほど登ると日向山の山頂であった。南側が少しだけ開けていて江の島なども見えた。小休止してから先に進む。三方向への標識があったが地名の表示なので分かりにくい。見城山へ直進するか、右へ下るかだ。試しに右へ下ってみたが、確信が持てなかったので元に戻って見城山へ直進することにした。急登を15分ほど登ると緩やかな頂の見城山であった。
見城山(みじょうやま、みじょうさん)山頂(標高375m)
見城山頂からは北方向の鐘ヶ嶽方面が少し開けている。標識に広沢寺駐車場とあったのでここを下っていく。木の根の入り混じった急な下りがしばらく続く。やがて広沢寺温泉と七沢温泉の標識が出てきた。ここは七沢温泉側へ下っていく。下りがしばらく続き鹿柵の扉を開けて進むと七沢温泉の車道に降り立った。すぐそばの壁に「蟹工船」の作家、小林多喜二の説明板があった。小林多喜二は1931年春に福元館の離れにひと月ほど滞在していた。
順礼峠の地蔵
七沢温泉に降り立って前面道路を左手方向に行く。旅館福松を左に見て進むとバス停が出てくる。この次の盛楽苑の角に順礼峠の標識がありここを左折する。詳細図参照。川にかかる橋を渡り車道を横切る。ここに順礼峠の標識があるが方向が間違っているので無視して直進するのがよい。突き当りを右折して直ぐに左折する。道なりに進んでいくと順礼峠の標識が出てくる。ここからは一本道になり薄暗い丘陵地帯に入っていく。順礼峠まで標高差100mほどを緩やかに登っていく。子供たちの声が聞こえてきて何本もの道が合流する順礼峠に到着した。ここでお昼の休憩を取る。休憩後、標識が示す物見峠・白山の方向に登っていく。やや急な登りを登り切ると、あとは緩やかな起伏を繰り返す丘陵地帯である。
順礼峠の伝説(案内板より)
鎌倉時代初期に相模(さがみ)、武蔵(むさし)、上野(こうずけ)、下野(しもつけ)、常陸(ひたち)、上総(かずさ)、下総(しもうさ)、安房(あわ)の8か国から33か所の坂東三十三観音霊場が選ばれました。この霊場をつなぐ道は、順礼往来とも言われ、近隣では八番札所妙法山星谷寺(しょうこくじ)・通称「星の谷観音」(現座間市)から六番札所である飯上山長谷寺(ちょうこくじ)・通称「飯山観音」(現厚木市)を経て、日向薬師(現伊勢原市)へと続き、その道中にあるのが、この順礼峠です。
室町時代には、現在の市立七沢児童館の西側付近に七沢城が築かれ、長享2年(1488)に七沢城を所有していた扇谷(おうぎがやつ)上杉氏と山内(やまのうち)上杉氏の間に生じた確執を発端として、実蒔原(さねまきはら)の合戦が起こりました。やがて、七沢城は上杉氏と後北条氏の覇権争いの地となり、この順礼峠でも、後北条氏の隠密が順礼姿に変装して、敵地、七沢城の様子を偵察していたと伝えられています。
この峠には、順礼の旅をしていた老人と娘がこの峠路を通りかかったとき、木陰に潜んでいた悪者に斬りつけられ亡くなったという悲しい言い伝えもあります。無残な姿となった順礼を見つけた村人は、後日、地蔵尊を建てて二人の供養をしたそうです。この地蔵尊は、いまでも峠を通る人を静かに見守っています。
物見峠直下の急階段を登る
ここは関東ふれあいの道になっており訪れる人も多い。展望は開けないが歩きやすく静かな山歩きが楽しめる。50分ほど歩くと胸を突くような急な階段が現れる。物見峠直下の階段である。階段の段差が大きく一歩一歩ゆっくりと登る。物見峠はその名の通り東側一面が開けている。
白山展望台から麓の風景
物見峠から少し歩いたところにむじな坂峠がある。ちなみに「むじな」(貉)はアナグマのことを指すらしい。しかし明確な定義は無く、地方によってはタヌキのことをむじなといい混同されているようだ。むじな坂峠から20分ほどの登りで標高284mの白山山頂に到着した。この山頂直下に白山展望台があり東側が一望できる。
飯山観音 長谷寺
白山から20分ほど下った麓に長谷寺がある。別名飯山観音とも称され、本尊は十一面観世音菩薩。坂東三十三観音霊場第6番札所で東国花の寺百ヶ寺でもある。お彼岸でもありご本尊の御開帳があるのではと期待していましたが今回はありませんでした。御開帳は毎年1月1日~3日、4月8日、11月3日の年5日間だけのようです。飯山観音前バス停は長谷寺から700~800mほど行った県道の赤い橋のたもとにある。
日向薬師~日向山~見城山~順礼峠~物見峠~白山~長谷寺のコース断面図
コースタイム 歩行5時間 距離10.5km 累積の登り841m 下り-875m
伊勢原駅(バス)8:33発~8:58日向薬師9:02→彼岸花群生地散策→9:30日向薬師→10:16日向山10:26→10:50見城山11:00→11:34七沢温泉→12:15順礼峠12:40→13:33物見峠13:38→13:50むじな坂峠→13:10白山13:30→14:52長谷寺→15:15飯山観音前バス停(バス)~本厚木駅
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