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東京の山・神奈川の山・関東周辺の山を夫婦で「気ままに山歩き」登山・ハイキング・トレッキングの山行記録です。

富士山周辺・三国山~大洞山~立山富士山周辺・三国山~大洞山~立山

富士山周辺・三国山~大洞山(1384m)~立山 
平成29年(2017)6月10日(土)2名

     

サンショウバラ

サンショウバラ(山椒薔薇)日本固有種のバラ科バラ属の落葉小高木。
バラとしては珍しく高木性となる種類です。高さ3~4mのものが多いが大きい場合は幹の径10cm、高さが5mになる場合もある。 名前の由来は枝にはとげがあり、葉がサンショウの葉に似ているため。勿論、葉にはサンショウのような香りはありません。花は5月下旬から6月下旬にかけて咲く。花は小枝の先端に一つ咲き、径5~6cmほどの淡紅色ぼかしの5弁花をつける。 花は一日花で1~2日で落花するが、後に続く蕾が次々と花を咲かせる。富士箱根地方(山梨、神奈川、静岡県)に分布し、別名ハコネバラ(箱根薔薇)ともいう。山梨県南都留郡山中湖村の「村の花」になっている。

明神峠~三国山~大洞山~立山~籠坂峠のGPS軌跡

駿河小山駅から8時発の明神峠行臨時バスに乗る。明神峠行の臨時バスはサンショウバラの開花時期に合わせてか、5月下旬から6月上旬の土日だけである。通常の便より1本早いためか幾分すいている。明神峠に到着すると登山者は不老山方面へ行く人と、三国山方面へ行く人と二つに別れる。人数的には大体半々くらいだろうか。不老山方向に100mほど行ったところにサンショウバラの木がある。そこへ咲いているかどうか見に行く。ピンク色のつぼみが開きかかっているがまだ咲いてはいない。標高900mの明神峠でこれだとこれ以上高いところでは開花はしてないかも知れないと思う。元のバス停の所に戻り身支度をして出発する。バス停から100mほど三国山方向へ行ったところに簡易トイレが設置されている。

箱根連山、左から矢倉岳、明神ヶ岳、金時山(尖った山)、神山

緩やかな尾根道を三国山方面へ進む。緑の森の中に時折ヤマボウシやハコネウツギが咲いている。一本のサンショウバラの木ではほとんどがまだつぼみだが一輪だけ咲いているのがあった。左手(南)の展望が開けると眼下には富士スピードウエイが、そして遠くには箱根連山がかすんで見える。

ブナの大木

車道に出て渡り三国山登山口からは本格的な登りになる。登って行くと見事なブナの巨木が次々に現れる。横倒しになり苔むして相当な年月が経ったような、カエデの大木が枝を何本も伸ばしているのに感心する。

三国山中腹より丹沢の山並み

三国山の中腹に差しかかかるとブナの樹林帯が切れるところがある。送電線が走っているが、ここからは丹沢方面の幾重にも重なる山並みが展望できる。左が大室山、中央が丹沢主稜、右の山が不老山手前の湯船山である。


鉄砲木ノ頭(標高1291m 手前の緑の斜面の山)

三国山の山頂に近づくと右手(北)の樹林の間から緑の草原が見えてくる。山梨県側がカヤトに覆われた鉄砲木ノ頭だ。その奥に見えるのは石割山(1413m)など道志の山のようだ。

緑の森の林床にはバイケイソウが生える

ほぼ予定通りに三国山に到着し小休止のあと大洞山に向けて出発する。一面の緑濃いブナの樹林帯を歩いて行く。バイケイソウの濃い緑と相まってあたり一面緑の世界に包まれた感じがする。

フジベニウツギ

フジベニウツギ(富士紅空木)、別名フジサンシキウツギ(富士三色空木)
山地の明るい場所などに生える落葉低木。高さは1~3m。ヤブウツギとニシキウツギの自然雑種である。葉は対生し長楕円形から倒卵状長楕円形で先は急に尖り縁には微鋸歯がある。花は枝先や葉腋に数個つき、紅赤色の長さ3cmほどで漏斗状鐘形で先は5裂する。花期は5~6月で山梨県や静岡県に分布する。花の色は初めから紅色で変化しないのだが、別名には何故か「三色」の名がつく。


ムシカリ(虫狩)

緩やかな起伏のブナ林を歩く。時折森の中で赤い花が咲いているのが遠くに見える。何の花だろうかと確かめに行くとヤマツツジの花だった。このコースの最高峰大洞山(1384m)に到着した。山頂と言っても標識がないとそれとはわからない平坦なところだ。ここの近くでお昼の休憩にした。お湯を沸かしてカップ麺に入れる。今日は味噌ラーメンにした。味噌のスープがなかなか旨い。30分ほど休憩してから展望もないので先に進むことにした。

ヤマツツジ(山躑躅)

このあたりは標高1300m以上あるのでまだ春なのだろう。ムシカリやヤマツツジ、ミツバツツジが咲き始めている。ウツギは紅色のフジベニウツギが最も多く、黄色いツクバネウツギも多く見かける。花の色が変わるハコネウツギはほとんど見かけない。

ミツバツツジ(三ツ葉躑躅)


アザミ平手前より富士山を見る

草原のアザミ平に下る手前に富士山の見える展望地がある。そこからは頂上付近が雲に隠れているがまだ雪の残る富士山が望めた。

アザミ平のウツギのトンネルを行く

アザミ平はツクバネウツギやサラサドウダンなどもあるが、フジベニウツギが圧倒的に多い。

サラサドウダン(更紗灯台)

アザミ平は盆地状になっていて低木があり草原になっている。そのため周辺は開けていてこれから登る畑尾山も前方に見える。ただ富士山は前方の山に遮られて山頂付近しか見えない。アザミ平を過ぎて立山に向って登って行く。畑尾山(1360m)までが登りで、そのあとの立山(1340m、たちやま)展望台まではほぼ平坦である。立山展望台からは雄大な富士山が見えるはずだ。だが今日は富士山頂付近はほとんど雲に覆われていて下の方しか見えない。時間もあるのでここ立山展望台でお湯を沸かしてコーヒーを入れて休憩する。

立山展望台からは元のコースに戻る。来た右側の道でなく左側の道を行くと途中にはサンショウバラの木が多くある。今日見てきたサンショウバラの木につぼみはないと思っていた。しかし、よくよく見るとサンショウバラの木にはつぼみがあった。つぼみがあまりにも小さいので見落としてしまっていたのだ。まだ開花するのに半月程度はかかりそうだ。多分立山周辺は6月25日ごろが一番の見頃ではないかと思う。今年はソメイヨシノの開花が1週間程度遅れたし、サンショウバラの開花も遅れているのだと思う。アザミ平方向に戻り道標に従い籠坂峠に向かう。籠坂峠への道は緩やかな谷の道だ。1kmほど歩くとアザミ平の道と合流する。更に進むと左手に墓地(山中湖村公園墓地)が見えてきた。公園墓地に入り墓地脇を進むと正面にトイレがある。トイレ前の広い道路をバス停に向かう。

すると右手の樹林の中に一本のサンショウバラの木があり花が咲き始めていた。「今年はダメだった」と思ってあきらめていたサンショウバラに思いもかけず巡り合えた。ここは標高1100mほどだが日当たりが良い場所なので咲き始めたのだろう。ピンク色の花はどれも初々しい。籠坂峠バス停で10分ほど待つと御殿場行のバスがやってきた。土曜日なのに空いていて座ることができた。

最後の最後に巡り合えたサンショウバラ

籠坂峠(かごさかとうげ、篭坂峠とも書く)は国道138号(旧鎌倉往還)の標高1104mの峠である。
古くから駿河と甲斐を結ぶ重要な峠道であった。甲府盆地と東海地方を結ぶ交通の要衝で、中世には沼津方面から塩や魚類、甲斐からは木材などの輸送に使われた。国境であったため戦国時代には甲斐の武田氏と相模の後北条氏との係争地になり、大永6年(1526年)には富士裾野の梨木平において武田信虎と北条氏綱の合戦が行われている。葛飾北斎は「冨嶽三十六景」の「甲州三嶌越」で籠坂峠からの富士山を描いている。地理的には富士山と丹沢山地西端の三国山稜を結ぶ鞍部にあり、山梨県南都留郡山中湖村南西の旭日丘と静岡県駿東郡小山町須走の境目に位置する。現在は国道138号線として整備されており、東名高速道路の御殿場インターチェンジを経て富士五湖方面に至る観光道路として車の通行が多い。

明神峠~三国山~大洞山~立山~籠坂峠のコース断面図

コースタイム 歩行4時間 距離10.5km 累積の登り777m 下り-570m
JR御殿場線駿河小山駅(バス)8:00~8:27明神峠8:40→10:07三国山10:15→11:20大洞山11:50→アザミ平→12:50立山13:20→14:05籠坂峠(バス)14:18~御殿場駅。


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